お父様が総理大臣辞めてから、孝太郎君がんばってますね。以前インタビューで任期中はヘマやると親父に迷惑かかるからのびのびできなかったような事をいってたけど。先日放送していた戦時中のドラマももしかしたら父任期中なんかだと出演は微妙なのかなあなんて勘ぐってみたりします。

 さてそのパパリン純一郎さんの本、本人執筆というよりはインタビューを速記者が書き取って編集した形らしいけけど、そのせいか文章に勢いがあって読みやすい。文章にテンポ感をだしたりするのは作家の力量というのもあるだろうけど、実は編集者の職人的編集力というのもあるらしくそれは、映画のそれに近いのかも知れない。

 主にはクラッシックについて語られてるのが3/4、で残りの1/4がエルビスモリコーネについて語っている。ぼくはクラッシックの知識は皆無なので、マーラーが何だ、オペラがどうだと言われてもさっぱりわからないので文章でクラッシックを説明した文章を読んでも全く面白いと思わないし、だいたい本当に音楽としてあまり今の所面白いと思ったことがない。モーツァルトは天才で別格らしいんだけど、ぼくには今まで聞いた数少ないクラッシックのなかでも一番つまんない、なんて思うほどクラッシック音痴なんだけど、この本は面白かった。
 
 文章を批評するほど文学にたけているわけでもないので、内容に関しては書かないけれど、いろんなクラッシックのネタが出て来ても飽きずに読めるのはきもちいいほどに言い切りで終わるその文体だ、(と言い切るか)<ろう>(と濁すか)。音楽家の書いた本って”だろう”でわる文体が多いものもあるけど、もちろん芸術は好みの産物なので、反論を避けるためにはしかたないのかも知れないけどが、あきらかに読み物としてのテンポ感は落ちるし、引き込まれない。もちろん音楽の本というよりは、失礼かもしれないが小泉純一郎のタレント本的性格が濃いので、いろんなエピソードで面白いのもあり、ことに当時のドイツのシュレーダー首相との日韓ワールドカップ観戦のエピソードは007映画のようだ。

 生涯学習的な趣味への系統仕方も、趣味、人生観、仕事、金、夢、等、空腹感意外の全ての価値観に音楽という色眼鏡がかかって境が着かなくなってる自分に取っては新鮮かつ、ただただレコードばかり聞いて夜更かししていた子供の頃を思い出させてくれるほど懐かしい。

 ”訳あって独身の変人さん”と飲み屋で音楽談義でひと騒ぎしたような読後感です。

音楽遍歴 (日経プレミアシリーズ 1)

音楽遍歴 (日経プレミアシリーズ 1)